紅匂ふのあらすじとネタバレ!最終回が早く見たい漫画!

紅匂ふ

タイトル 紅匂ふ
原作・漫画 岩崎峰子 大和和紀
出版社 講談社

今は貧しい暮らしをしているが
元は公家の名門吉田家の
おとんぼ(末っ子)に生まれた珠子。

名店「石橋」の主に見初められ
芸の道に入った彼女は、
豪華にして厳しい世界で輝いていく。

日本の伝統文化に関する
ディテールがとても緻密な
青春舞妓物語です。

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紅匂ふのあらすじ紹介

元は公家の名門吉田家の
おとんぼ(末っ子)として
生まれ育った珠子。

父親からは格別かわいがられ、
珠子もまた両親が大好きでしたが、
祇園の名門「石橋」の主が、

珠子を見初めたのがきっかけで、
彼女は芸の道に入ることになります。

両親からは惜しまれ、一方
「石橋」からは跡取りとして
正式に養子になる好待遇でした。

しかしそこは多くの女性たちが
しのぎを削る勝負の場でもあり、
最初から「特別扱い」の珠子は、

周囲から激しいいやがらせに
遭うことになってしまうのでした。

紅匂ふのネタバレと今後の展開は?

かつては公家の家柄で、
高貴な誇りと気品を保ちつつも、
とても裕福とは言えない吉田家。

そこのおとんぼ(末っ子)として
生まれた珠子ですが、
兄弟で遊ぶのが苦手なこともあり、

両親からは格別、可愛がられて
すくすく育っていました。

しかしある日会ったおばあさんに
可愛らしいなと声をかけられ
思わず萎縮してしまいますが、

彼女は実は祇園の名門である
「石橋」の主でした。

おばあさんは珠子の姉である
千恵子を芸妓にと、
懇願しにきたのですが、

珠子が吉田家の娘と知るや、
この娘を跡取りに、と、
俄然熱を入れてきます。

もちろん、まだ赤ちゃんと
言ってもいい珠子の将来を
縛るわけには到底いかず、

その話は結局、流れることに
なったかに見えましたが、
まだ続いていました。

後日、珠子の「知らない姉」の
梅子が家を訪れ、離婚した自分が
嫁ぎ直すにはどうしても、

珠子に来て貰わないと困ると
要求を突きつけてきました。

もちろんそんな身勝手な要求は
認められないのが両親の立場ですが、
大好きな父たちがいじめられ、

なじられるのが見るに堪えられず、
家庭の役に立ちたい珠子は、
「石橋」に入ることになります。

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紅匂ふの読んでみた感想・評価

親の事情や身一つでのし上がるという
野心から、「夜の世界」に
身を投じる女性を描く作品は、

かなりの数に上り、また
大人気を博することも
珍しくありません。

しかし昭和の中期、戦争が終わって
それほど間がない頃を作品の
スタートとしている本作では、

一人でのし上がるための野望でなく、
もっと切実で繊細な決意が、
理由になっています。

まだ小学校を卒業もしていない
小さな女の子が、自ら心を決め、
芸妓という職業人を目指す、

「プロ」の世界で生きる事態は、
現在ではほとんど考えられず、
思わず胸が苦しくなりましたね。

しかし、大人の事情から
家のプライドまで様々な、
美しくない話が絡み、

衝突があるからこそ、
かつての芸妓の美しさが
保たれてきたのもまた事実。

旧公家の吉田の家に生まれ、
親が大好きだったが故に、
親元を離れ「石橋」に、

行くことを選んだ珠子は
ある意味矛盾を内容していて
そこが強さにもなっています。

そしてその強さ故に、
ドロドロとした情念や
大人の事情が渦巻く祇園でも、

気負うことなくすっと、
自分の色を出していく様は、
見ていて本当に気持ちいいですね。

辛いで終わらずに色々な感情を
作品を通じて満喫できました。

紅匂ふはこんな方におすすめな作品!必見

明治維新やGHQの占領などなど、
日本の文化が変わる分岐点が色々ある中、
ずっと人々からの支持を受けてきたのが、

祇園などの舞妓さんや芸妓さんたちの
「遊芸」文化です。

そのため多くの「芸者もの」作品が
世に出てきましたが、どうしても
独特かつ複雑な世界を描くのは、

ディテール的に厳しいものがあり、
「説得力」に欠ける作品も
あったように思います。

しかし本作は徹頭徹尾
厳密な知識と「皮膚感覚」に
基づいて描かれており、

その表現面において
まったく隙が見えません。

また、一流の芸妓になるには、
幼少期から身に付いたような
「気品」が重要になってくるが、

そうした名家から子を手放して
芸妓の世界に入れることの
葛藤などの現実も描かれています。

決して華やかなだけではない、
しかし完全な「苦界」という
立ち位置で語るのもまた違う、

当人の心理まで厳密に
描いた「芸者」の世界を
楽しみたい方には最適な一作です。

また、良い両親が別の人には
必ずしもそうではない、
厳しく嫌味に思える上役が、

実は真心を持っているという
皆が持っている二面性も
真正面から描いてもいます。

華やかな世界や人は
大好きでしたが、その華やかさが
作られる苦労が知れて良かったです。

紅匂ふ

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