タイトル | 悪魔のようなあなた |
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原作・漫画 | 松本ななこ |
出版社 | 小学館 |
小学校の時の態度が原因で、
幼馴染の光に、超ドS対応を
続けられている桐島 みちる。
しかしみちるは常に光が好きで、
光もまたみちるに特別な感情を抱き……、
ドS系彼氏のハードな対応と、
個性的なみちるのキャラが融合し、
独特の存在感を示している、
パワー系ラブコメです。
悪魔のようなあなたのあらすじ紹介
小学校の時の告白を、
照れから断ってしまったことで、
光にドSな対応を取られているみちる。
パシリに使われることもある、
旅行に非常用として同行したりもする、
ひどい境遇ではあるものの、
特別扱いしてくれると、
みちるは彼に愛想をつかすことはなく、
光もまた、本心では
みちるを好ましく思っていました。
二人は徐々に関係を深めていき、
色々な思い出を共有していきますが、
あくまで光はドSであり、
みちるの思う彼氏と彼女の関係には、
なかなか至れないでいます。
悪魔のようなあなたのネタバレと今後の展開は?
小学校六年生の時、好きだった
久藤 光に告白された、
桐島 みちる。
内心通り告白を受けようとしますが、
そこに光の兄、旭が現れ、
目一杯はやしたてたことで、
恥ずかしくなったみちるは
付き合ったりしないと、
彼の気持ちを無下にしてしまいます。
以後半年にわたって、光に
無視され続けたみちるですが、
話はそれで終わらず、
それから五年経っても、
光に圧力を加えられていました。
人気モデルとなった光に群がる、
女の子たちの添え物的扱いをされ、
パシリに使われたり、
業界的な好感度を上げるための
ダシに使われたりと、
友達が気遣うほどひどい扱いですが、
あくまで光一筋のみちるは
「特別扱いしてくれるのが嬉しい」と、
まったくメゲることがありません。
そんなある日、みちるの父親が、
「大阪に転勤になった」という
衝撃の一言を述べます。
大阪に引っ越せば当然、
光には会えなくなります。
そこでみちるは光に直接自分の
好きだという思いをぶつけますが、
光はまともに取り合ってくれず、
時間だけが過ぎていきます。
しかしみちるが改めて、
あと一週間で引っ越すことを言うと、
光の態度が一変し、
二人は彼氏と彼女として
時間を過ごしていくことになります。
悪魔のようなあなたの読んでみた感想・評価
笑ってはいけない部分がありますが、
思わず吹き出してしまいそうに
なってしまいました。
超俺様系で女性にはいい顔をする
人気モデルの光君。
実は何気にみちるのことを、
好きだったりもする感じですが、
それを差し引いても強烈な
ドS対応を続けており、
その理不尽かつ予測不能な対応は、
当事者の心情とは相反する、
不思議なタイプの笑いに読者を誘います。
一方のヒロインであるみちるも、
大好きな光君にはとことん尽くす、
献身的なタイプの女性であり、
同時にただならぬ「いじりやすさ」を
備えているようにも見えます。
だからこそみちるが光君に
強烈な仕打ちを受けていても、
読者側の気持ちが殺伐とせず、
本作に限っては受け入れてしまうのです。
本音としてはしっかりとした部分を
確かに持っていつつも、
常に本心を隠しごまかす光君の行動は、
物語が進んでもまるで読めず、
だからこそ話の山もオチも
予測しづらかったりするので、
コメディ作品としての威力と言うか
意表をつく展開の新鮮さも強力で、
本作のアクセントになっています。
個人的にはみちるに対する仕打ちが
かなりハードだなとも思いましたが、
何だかんだで関係は進み、
互いの思いもあるので、良い意味で
結果オーライな感じがしましたね。
悪魔のようなあなたはこんな方におすすめな作品!必見
好きな子のことがつい気になって、
本音とは裏腹に意地悪してしまう、
ラブコメの定番の流れですが、
本作はそれをあり得ないほど加速し、
しかもうまい具合にひねくれさせています。
小学校時代から大きく成長し、
大人気モデルになった光君は、容赦なく
みちるをパシリに使いますし、
自分の好感度アップのためのダシとして、
演技のネタにも使ってきたりします。
その徹底ぶりは周りからの噂になり、
光のイメージに響くほどですが、
みちるは「特別扱い」を嬉しがり、
困惑はしても嫌な顔はしません。
どうしても男性主人公ががオラオラと
圧力を加えていると、女性に同情して
読みにくくなっていくものですが、
本作に限っては「大丈夫だろうな」と
思わせるだけに十分な「軽さ」があり、
そこが独特の味として読者を
引きつける形になっています。
とは言え、「悪魔のような」と
タイトルに付けられるだけあり、
光君の無茶ぶりは他作品とは違う
ハードなレベルにあるのも事実で、
ドS系の主人公が好きだという方は、
独特の世界観が滲む本作に、
従来にない面白さを
感じられるかも知れません。