ぴんとこなのネタバレと感想です!どうなる結末は!?

ぴんとこな

タイトル ぴんとこな
原作・漫画 嶋木あこ
出版社 小学館

家柄も人気も素質も文句なし、
しかし歌舞伎にはやる気なしの
名門の御曹司河村 猛。

周りからの評判にあぐらをかき
適当にやり過ごす河村は、

思わぬ酷評と恋、そして
強力なライバルと直面する。

歌舞伎界を舞台に行われる
王道な恋と青春の熱い物語。

ドラマ化もされた、
男性にもオススメできる
大人気少女漫画です。

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ぴんとこなのあらすじ紹介

歌舞伎の名門、木嶋屋の御曹司であり、
声、顔、姿ともに文句なしという
もの凄い素質を持つ河村 猛。

しかし河村はある出来事から、
完全にやる気を失っており、
舞台でもそれが出てしまうほど。

家柄と素質だけで周りから注目され、
女性たちからもチヤホヤされる日々。

しかしその出来栄えの悪さを
素人のあやめに指摘されたことで、

あやめを気にすると同時に
彼の中の何かが変わり始めます。

しかしあやめと一緒にいた所で
門外漢である本郷の踊りを目撃し、
自分との差も痛感してしまいます。

しかもその本郷はあやめの
想い人でもあったのです。

ぴんとこなのネタバレと今後の展開は?

伝統と格式が重んじられる
歌舞伎界でも名門と呼ばれる
木嶋屋の御曹司として、

若くして舞台に上がる
河村 猛。

幼い頃からの蓄積と家柄で、
良い役を任せられている彼は、
完全にやる気を失っていました。

声も顔も姿も良いにも関わらず、
最後の決めでさえ完全に無気力、
しかし人気は絶大で、

いつも出待ちの女性に
囲まれるという生活でした。

声援を送りながらも
観察眼のないファンたちを
内心バカにしながらも、

次の舞台では楽屋に招待すると
河村が宣言したところ、

「楽屋に招待となれば舞台にも
招待してくれるのか」
と、質問の手が挙がります。

質問したのは清掃員の女性、
そのため出待ちのファンと
揉めそうになりますが、

河村が仲裁に入ると、
意外と若いその少女は、
あくまで歌舞伎が見たいと強調。

その舞台は河村は出ないのですが、
あなたは出なくてもいいと
その少女は言い放ちます。

その場を去った河村ですが、
「出待ちにフラレた」と
学校では噂になっており、

当然面白くはありません。

そんな中、花壇ににんじんを
植えようとする女生徒を目撃しますが、
その娘こそ先日の清掃員だったのです。

気持ちのおさまらない河村は、
改めてその少女を問い詰めますが、

彼女は歌舞伎に深い知識があり、
河村の舞台を「逃げてる芸」だと
完全に酷評します。

素人の一方的な意見ではあるものの、
その言葉は河村に突き刺さりました。

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ぴんとこなの読んでみた感想・評価

周囲に知られていない技能を、
幼少時から徹底的に
英才教育で教えていく。

これが家元システムにおける
「天才」の作り方と言えます。

元々の優劣はあるものの、
「門外」に比べたら皆圧倒的で、
代わりが見つからないから、

逆に言えば少々怠けても平気。

作中の河村もまさにそんな境遇でしたが
生来の負けず嫌いに加えて強力な動機で
力を伸ばしてきた本郷に、

気付いたら差をつけられていたという現実、
つまり物語の導入時点で下克上の展開が、
既に生じているわけで、

まだ感情移入もできていないのに、
何故かスカっとした気分になれました。

また、女性にフられ、追い抜かれてと
まずい状況になってから燃える河村も、
逆境からの追い上げという、

また別の下克上の途上にあり、
どちらの側に立っても熱く燃えられる
関係性が嬉しいです。

歌舞伎界のしきたりや内情の部分も、
非常に丁寧に描かれており、
骨太の本筋をさらに際立たせています。

少女漫画というカテゴリーで
大ヒットした本作ですが、

その内実はむしろスポ根モノに近く、
男性でも大いに熱を入れて
読み進められる一作だと思いました。

ぴんとこなはこんな方におすすめな作品!必見

才能は血筋、という考え方があります。

一方で才能は突然変異や努力が要因だと
解釈する向きもあります。

どちらも説得力がありますが、
伝統芸能の世界でさえ実力制になる中で、

家柄や血筋が極めて重んじられる
歌舞伎という世界はやはりかなり異質。

そしてその異質さは芸の希少さに直結し、
演者を結果的にかけがえない存在へと
昇華していることもまた事実です。

そんな異世界にいるが故の葛藤や
「中」に入れない難しさを描くのは
簡単なことではありませんが、

本作は高校生という、もっとも進路に
迷ってしまいがちな時期を選ぶことで、
その不安定さを浮き彫りにしています。

父の態度に失望して以来、
ずっと真面目に取り組まなかった河村と、

門外漢ながら歌舞伎の凄さに目覚め、
ひたすらに芸を磨いてきた本郷の
完全な対比と一致点等々、

実際にはかなり分かりにくい歌舞伎と
その演者たちの微妙な関係を明快に、
そしてしっかりと描いている点は、

老若男女問わず興味を引かれる
好要素だと思います。

真面目で責任感が強いあやめたち
ヒロインもとても能動的で芯が強く、
物語の骨格を作っています。

天才型と努力型の対決という
非常に定番な、古典的でもある構図を、

様々な知識や技巧を使って
実にうまく読ませる、
王道型物語と言えますね。

ぴんとこな

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