タイトル | NANA―ナナ― |
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原作・漫画 | 矢沢あい |
出版社 | 集英社 |
「なな」という同じ名前の同い年の女の子2人が偶然にも同じ日に上京。その新幹線の中で話しただけの関係かと思いきや、東京での物件内見中にまさかの再会。意気投合し一緒に住むことになった2人をとりまく温かくも悲しい物語。
NANA―ナナ―のあらすじ紹介
彼氏を追いかけて上京する「奈々」と、音楽のため上京する「ナナ」は偶然にも同じ日の同じ新幹線で出会う。彼氏との同棲が叶わなかった奈々は物件を探している最中、ナナと再会。2人で7階の707号室に住むこととなる。後日そのナナを追いかけて上京してきたナナの元バンドメンバー・ノブが部屋を訪れたことにより東京でまたナナとノブでバンドを始めることに。奈々のはからいもありバンドメンバーも4人へと増え、ナナがヴォーカルのバンド「BLACK STONES」とそのバンドのマドンナ的存在へとなった奈々。更にナナの元恋人は奈々が大好きなバンドのギタリストだと発覚。2人の「なな」と2つのバンドを巡る物語。
NANA―ナナ―のネタバレと今後の展開は?
上京後まもなく、奈々は彼氏に振られ、ナナは地元に居た頃恋人だった超人気バンド「TRAPNEST」のギタリスト・本城蓮と元サヤに。その後ナナのバンドメンバーのノブと奈々は付き合い始めるが、この頃からナナの異常な独占欲があらわになってきます。犬みたいだ、と皆から「ハチ」と呼ばれるようになった奈々を、逃がさないための首輪としてノブを扱うように。そんな奈々もナナへの依存を見せ始めます。ナナの伝手でTRAPNESTのタクミと体の関係を持ってしまった奈々はノブとの交際中に妊娠が発覚。タクミとの結婚を決意し、奈々は707号室を去ることに。奈々に対して異常な執着をしていたナナは勿論これに激怒、記憶がなくなるほど異常な行動も繰り返し、結果ナナも707号室を避けて恋人の家に入り浸ります。丁度その頃本城蓮との交際がスクープされ、ナナのバンドはそれを期にメジャーデビューすることとなる。すれ違ったままのナナと奈々だったが、ナナがテレビを通して奈々に向けてメッセージを送ったことにより2人の関係は徐々に戻っていく。
NANA―ナナ―の読んでみた感想・評価
一見ただの恋愛ものの少女マンガかと思ったら全然違いました。確かに恋愛の話が主軸ではありますが、リアリティある人間のドロドロした感情や、だけど優しくなれる美しい感情などを主人公たちが見せてくれます。名言が多いのも有名で、自分の行動を省みるきっかけになったり、自分の人生の指針や辛いときの支えにすらなってくれる言葉がたくさんあります。まだ、完結はしてないですが全ての話が「過去」として語られており、「現在」の主人公たちが一体どうなっているか先が気になって仕方なくもさせてくれます。
胸が温かくなるような場面が多い中、それに負けないくらい悲しい場面も多く、少女漫画特有の現実味のない感じではなく、とても共感できるような感情の場面が多々あり、まるで自分がそのキャラクターになったようになります。感情の表現、言葉の選び、キャラクターの表情・行動がとても繊細に描かれており、何度も読み直したくなるくらい漫画の世界観に引き込まれていきました。
NANA―ナナ―はこんな方におすすめな作品!必見
夢に溢れたときめく恋愛ものを読みたい、という方にはオススメできません。それよりも大人な恋愛ものが読みたい方、辛いときに前向きになれるような漫画を読みたい方、自分の汚い部分に嫌になってしまっている方が読むととても惹かれるものがあるかと思います。確かに設定だけみれば夢物語ではありますが、人間関係の上での感情や行動はとても現実的で、「こういう人間になれたらいいな」「自分もこういう風に思えるようになれればいいな」と思えるような漫画です。
漫画だけでなく、アニメ・実写映画化もされているので漫画からメディアをひろげるのが好き、という方にも向いています。また、現在20巻を越えているので長編が好きな方は是非とも1度読んでみてもらいたいです。少女漫画ではありますが、その内容から男女問わず人気があるのでどんな方にでも読んでもらいやすいかと思います。
作者の矢沢あい先生が現在病気で療養中なので更新が止まってはいますが、今でも人気は高く、話題になってから10年以上経ってはいますが今からでもすぐに追いつけます。